東京で催眠療法を行う心理療法研究室スアラロハニは、公認心理師による催眠療法をメインとした心理療法を行う完全予約制のセラピールームです。東京都板橋区大山にセッションルームがあります。

USPTとインナーチャイルド

USPTは解離性障害の治療のために精神科医・小栗康平先生が考えられた方法ですが、インナーチャイルドの癒しにも使える技法です。USPTとインナーチャイルドって、関係があるのでしょうか?

内在性解離とインナーチャイルド

解離性障害は、解離の大きなものから小さなものまで幅があります。解離の大きなものは解離性同一性障害(DID:いわゆる多重人格)と呼ばれますが、解離の小さなものは「内在性解離」と呼ばれ、解離があることに気づかないまま過ごしていることもあります。

 

 

解離があるのは病気や異常なのかというと、決してそういうことはありません。程度の差はあれ、誰にでもあると考える専門家もいます(岡野憲一郎先生など)。「抑圧」などと同じで、つらい状況を一時的に避けて、その場面を乗り切るための心の防衛方法のひとつといえます。

 

USPTでは、つらい出来事をなかったことにして、つらい体験や気持ちを心の奥底に閉じ込めてしまう心の機能を解離と呼んでいます。けれども、よりどころとしている理論が違うと、異なった呼び方に変わります。自我状態療法では自我状態と呼びますし、インナーチャイルド療法ではインナーチャイルドと呼びます。それぞれ少し考え方は違いますが、クライアントさんに認められるつらさや、現れ方などはよく似ていますから、だいたい同じものを指していると考えて良いでしょう。

解離やインナーチャイルドは癒さなければならないの?

解離は、一時的には自分を守るために有効な防衛機制です。つらい出来事が起きているとき、またはその環境を今すぐ改善できないときには、役に立ちます。

 

けれども、解離によって回避したつらい気持ちは保存され続けるため、時間とともに消えていくことができません。「なかったことにする」といっても本当になくなるのではなく「ないと思い込む」だけですので、心はだんだんと解離によって回避した怒りや悲しみ、孤独などでいっぱいになっていきます。心がつらい感情の置き場でいっぱいになると、決断力がなくなったり、すぐに涙が出たり、腹が立ったりなど、なんとなく自分をコントロールしにくい感じが出てきます。

 

ですので、解離が必要だった時の差し迫った状況がなくなって、つらい思いをさせる人がもう側にいないとか、つらい環境に身を置く必要がなくなったときに、一時的に回避していた出来事を受け止め直す必要があります。受け止め直すことができれば、つらかった気持が時間とともに薄れていき、心のスペースが広くなった感じや、現実感が強くなった感じ、自分らしい感じを持てるようになります。

心の中の小さな自分を成長させる

インナーチャイルド療法ともよく似たUSPTですが、独自の手法として、心の中の一番小さな自分を実年齢まで成長させるというものがあります。

 

USPTでは、傷ついた小さな自分、傷ついた心の部分の中でも、もっとも小さな自分を「本当の自分」と考えます。解離で回避する癖のある人は、つらい経験を心の一部分に背負わせ、表の自分を作ることで、本当の自分がむき出しになって直接傷つかないように守っているように見受けられます。

 

子供の時や若い時には自分の力で乗り越えられなかったことでも、今の自分なら解離以外の乗り切り方を知っているかもしれません。以前より上手に言葉が使えるかもしれませんし、他に助けてくれる人ができたかもしれません。嫌いな人に近づかないとか、話をしないという方法があるかもしれません。そのような対処法をとって、つらさを溜め込まない生き方をすると、心の中のざわざわが起こりにくくなります。まだそんな力がないと思っている方も、解離人格≑インナーチャイルドを受け止め直すと心のエネルギーが戻ってくるので、対処も上手になってくるとも考えられます。

 

心の中の小さな自分を感じたら、USPTをお試しください。

 

心理療法研究室スアラロハニでは、インナーチャイルド療法とUSPT技法を併用したセラピーを行うことができます。不安がある方はまずはご相談ください。