東京で催眠療法を行う心理療法研究室スアラロハニは、公認心理師による催眠療法をメインとした心理療法を行う完全予約制のセラピールームです。東京都板橋区大山にセッションルームがあります。

年齢退行療法とは

忘れてしまったことも実は潜在意識には残っている

潜在意識には私たちが経験しているほとんどの出来事が記憶されていると考えられています。忘れてしまったことは思い出せなくなっただけで、記憶から消えたわけではないのです。これを利用して、年齢退行療法では、忘れている記憶にアクセスして、情動(感情)と記憶の関係を見直します。アメリカでは目撃者が事件を鮮明に思い出せるよう、犯罪捜査にも使用されています。

意識全体を100%だとすると、顕在意識は10%程度に過ぎません。これに対して、潜在意識は80〜90%といわれています。すぐに思い出せる記憶は顕在意識に残っている記憶ですが、残りの大半は潜在意識の中にあるので、催眠などで潜在意識につながった状態にならないと思い出せないのです。

情動にアクセスして癒す

時間をさかのぼって、過去の問題を解決する心理療法です。 今抱えている問題、苦しみや恐怖などの原因が、過去に受けた心の傷によるものの場合、催眠状態で過去に戻って癒します。出生前の胎児期への退行も含まれます。年齢退行療法は、インナーチャイルドの癒し、アダルトチルドレンのための心理療法でもあります。

潜在意識の奥に秘められた心の傷、深い悲しみ、恐れや怒りなどは、普段本人が記憶として思い出せないものでも、ふとした瞬間に嫌な感情や感覚として繰り返し甦ってくることがあります。その場合には、本人には何が原因かわからず、とても不安だったり、不可解だったりします。 あるいは、原因が分かっていて、しかもそれが間違った認識や記憶であると理性で受け止めていたとしても、それでも癒されずに心に残り続けることがあります。そうした、癒されにくい感情に対して、年齢退行を行うとよい場合があります。

また、ご両親との関係に問題がある場合、ご両親もまたご両親の親(祖父母)との間に問題を抱えている場合がありますの。そういうケースでは、ご両親とご両親の親(祖父母)との関係から癒しを起こす方法を行うこともできます。

記憶は嘘をつくことがある?

記憶というものは、自分で思うほど確かなものではありません。間違って記憶されることもあれば、時間がたつうちに少しずつ変化してしまったり、思い出すたびにより強いものに置き換えられたりすることもあります。主観が入るので、同じ場面に居たとしても人それぞれ違う事実として受け止められることもあります。そういう場合はどちらが正しいというよりも、主観的事実としてはどちらも間違っていないということになります。

たとえば、「すぐに帰る」と言って出掛けた母親の帰りが遅いので、子どもは「お母さんは帰ってこない。捨てられたんだ」と深く傷ついてしまったとします。でも実際にはお母さん急用でちょっと出掛けただけだったのですが、初めての留守番であったことやお母さんの慌てている様子がいつもと違うなど不安になる要素があれば、子どもはとてもショックな出来事と記憶するかもしれません。

これを理性のレベルで「捨てられてはいない。捨てられたと感じたのが間違いだった」と理解しても、感情のレベルで癒しが起きないと、もやもやとした不安の原因として残ることがあります。

年齢退行療法にはタイミングが大切

年齢退行療法では過去にアクセスし、トラウマとなった出来事の見直しをしたり、その時にはできなかった「やりたかったこと」のやり直しをしたりしながら、感情レベルでの癒しを行います。

年齢退行療法を行うには、本人の心の準備や物事の成熟度、環境の問題など、その問題解決にとってふさわしいタイミングであるかどうかも大切です。年齢退行療法を行う時期が来ていない場合やつらい出来事を直視したくない場合には、問題点を自分の分身として人格化して話し合う「分身法」をとることもできます。また、年齢退行の誘導を行っても、行くべき場所を選ぶのは本人の潜在意識なので、前世に退行する場合もあります。